2005年に逗子海岸で始まり、今年15周年を迎えるライブイベント「OTODAMA SEA STUDIO(以下OTODAMA)」。17年から三浦海岸へ舞台を移し、期間中はのべ3万人を超える来場者でにぎわう。節目となる今年は、ウインドサーフィンワールドカップとタイアップし、音楽で大会成功を後押しする。毎年新たな試みを取り入れながら進化を続けるOTODAMA。同イベントの発起人であるアーティストのクレイ勇輝さん(逗子市出身)に、「これまで」と「これから」を聞いた。
「瞬間、瞬間は長く感じたけれど、15年という月日はあっという間だった」。決してすべてが順風満帆ではなかったが、着実に歩んできた設立から今日までの足跡を感慨深げに振り返る。逗子海岸から鎌倉・由比ガ浜、そして三浦海岸へと場所を変えたが、音楽の力で新たなビーチカルチャーの創造をめざすという志は変わっていない。節目を喜びながらも、継続できることのありがたさと難しさを実感しているからこそ「危機感の方が強い」と言葉少なに語った。
今では夏の風物詩として親しまれ、20〜30代女性を中心に昨年はのべ3万5千人を動員したOTODAMA。開催がなければ生まれない市外からの誘客に貢献しているという自負もあるが、より良いステージをつくろうとする探究心の方が勝る。
今年は初めての試みに「音楽とスポーツの融合」を掲げるウインドサーフィンワールドカップとのタイアップが実現。過去最速のスタートとなる5月11日を皮切りに、9月29日までの約4カ月を駆け抜ける。「競技後、選手たちにもライブを楽しんでもらえたら嬉しい」
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三浦の地に来て3年目。広く静かな砂浜と穏やかな海を臨む絶好のロケーション、地元との協力的な関係性や寛容さなど、魅力を挙げながら「コンセプトにしっくり合っている」と笑顔を見せる。
ライブイベントとあわせて、県内の高校生バンドを対象としたコンテスト「OTODAMA甲子園」も今や恒例。技術向上や勝ち負け以上に、海・夏・音楽で青春の1ページをつくってほしい―との思いどおり、毎年アツいパフォーマンスで盛り上がりを見せる。ときには音楽の道をめざす若者たちから進路相談を受けるなど、兄貴分としての信頼も厚い。
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ビーチカルチャーは、1日にしてならず。「1回だけならやるのは簡単。30年続いて文化になると思う」と継続への決意を新たにする。「OTODAMAが50周年を迎えるころは約70歳。できればずっと音楽と海に携わっていたい」
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