緑が丘の聖ヨゼフ病院は、来月24日から新棟での診察を開始する。これに際し、現在の本館は今夏をめどに解体する見込み。前身は旧日本海軍が手掛けた横須賀海仁会病院の建物で凹曲面が特徴。戦前の病院建築として貴重なものとなっており、専門家からは、解体前に見学会等を求める声が上がっている。
社会福祉法人聖テレジア会が運営する聖ヨゼフ病院は、築80年が経過し老朽化などを理由に、本館の機能を敷地内に建設した新棟に移す。新病院は6階建て、延べ床面積は現在の本館と同規模の約8千平方メートル。2018年4月に本体工事に着手。間もなく完成し、来月24日(火)から新棟での診察を開始する。
モダン建築として評価
同院の前身は、1939年に旧日本海軍が軍人とその家族向けに創設した「横須賀海仁会病院」。45年の敗戦と同時に、米海軍に接収され、当時の米海軍横須賀基地司令官デッカー大佐が一般市民に開放することを決定。46年に現在の聖ヨゼフ病院として開院し、現在に至る。
建物は、モダニズム建築の代表作といわれる東京・日本橋の白木屋を手掛けた石本喜久治氏の設計。湾曲した敷地に合わせた凹曲面が特徴で、2013年には、建築作品として歴史的価値や造形美が評価されるDOCOMOMO Japan「日本におけるモダン・ムーブメントの建築 164選」に選定されている。
見学会求める声
本館は、新棟に機能を移転後、夏ごろをめどに解体する予定で、病院利用者の駐車場スペースとして活用するという。
横須賀市内の建物を研究する市民団体「横須賀建築探偵団」の富澤喜美枝代表は「当時としては最先端のデザインで、価値ある建物。街の象徴的な建造物として、思い入れのある人も多いと思う。解体前に見学会等を開いてほしい」と話す。
同院によると、今のところ見学会などは予定していないが、外観については撮影の申し入れがあった場合、受け入れているという。
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