横須賀市医師会(三屋公紀会長)は、新型コロナ感染症への中和抗体薬療法(抗体カクテル療法)をよこすか浦賀病院で始めた。陽性患者のうち、症状の軽い人を対象にしたもので、横須賀市は9月定例議会で医療体制の整備に対する経費など2400万円を増額補正した。
「抗体カクテル療法」とは、新型コロナのウイルスが増殖するのを防ぐために、体内に抗体を注入する治療法。発症から7日以内の軽症から中等症の初期患者に点滴で投与することで、ウイルスの増殖を阻止し、重症化を防ぐ効果があると言われている。
入院施設の負担軽減
市医師会では、コロナ患者の入院治療を行う市内の3病院(市民病院・うわまち病院・横須賀共済病院)の負担軽減を目的にこの療法を導入した。神奈川県のほか、いくつかの自治体でも始めているが、医師会の主導による取り組みは全国でも例がないという。
対象は、横須賀市民でかつ発症から4日以内・酸素飽和度が96%以上で、50歳以上もしくは重症化リスク因子がある人。発熱外来での検査時にこの治療法を説明し、陽性と判断された人が希望した場合に受けられる。医師会が実施医療機関のよこすか浦賀病院との調整や搬送の手配を行うため、コロナ対応で逼迫している保健所業務の抑制にもつながるとしている。
同院では、外来患者と接触しないよう、駐車場にプレハブの専用スペースを設置。自宅療養期間中、同院が経過観察などにも対応する。同医師会では実施する外来医療機関を増やしていく予定だという。
市はこの治療法を支援するため、9月議会で補正予算を計上した。外来受診のコーディネートや応援医師派遣経費、患者の搬送経費など2400万円で、投与人数は1カ月あたり50人を想定している。
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