北京五輪スキージャンプ男子ノーマルヒルで金メダルを獲得した小林陵侑選手の活躍の陰には、メンタル強化のサポートがあった。横浜市で「脳トレ」スタジオを運営する林愛理さん(久里浜在住)が手掛けるトレーニング法で、世界トッププレーヤーに飛躍した。
林さんは2018年から小林選手が所属する土屋ホームスキー部と業務委託契約を結び、選手たちにパフォーマンスを向上させる方法を指導。そこで導入したのが「NFB(ニューロフィードバック)」と言われるもので、ヘッドギアを装着し、競技をイメージしながら脳波を測定。データを基に「空間認知力が高い」「記憶力が悪い」など脳が持つ癖や課題を把握する海外では発達障害や精神疾患者のほか、有名アスリートも採用するトレーニング法だ。
「あがり症」克服
「小林選手は繊細な感覚の持ち主で天才肌。一方で『あがり症』の面もあった」と分析。緊張しすぎると体は固くなり、無理に緊張をなくそうとするとジャンプ力も消費するため、緊張とリラックスの中間にあたり、集中力を高めて潜在能力を発揮する「ゾーン」状態に入れるよう訓練したという。人それぞれ方法は異なるが、小林選手の場合、練習後に好きな音楽を聴いたり、選手と冗談を言ったり、オンオフの切り替えを図ることで、試合での緊張状態との付き合い方を身につけた。
また、未来に自身が叶えたい目標を決める「自分ウィキペディア」の作成も提案。「北京五輪で銀メダル」と書いた小林選手は1年後、W杯王者に輝き、自信を持って「金メダル」と書き換えたことが実現した。
今大会を観戦した林さんは「試合を楽しんでいる表情だった。優勝はやっぱりという感じ。今後さらに活躍できる選手」と期待を寄せた。
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