安浦町
スペース活用で創業応援
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4月19日
横須賀美術館(鴨居)で開催中の「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」が注目を集めている。横須賀市内の運慶および運慶工房作や国・県・市の重要文化財が勢ぞろいしていることに加えて、関連企画も好評だ。同館のロケーションや館内スペースを活かしたもので、観覧客だけでなく、観光客の取り込みにも寄与している。
同館の開館15周年を記念した「運慶」の特別展は7月6日に開幕。通常の企画展の観覧客数は数千人〜2万人だが、同展では開始1カ月で約2万人。9月4日までの会期で目標とする4万人を上回る見込みだという。仏像展を美術館で開催するという初の試みや、横須賀ゆかりの重文展示もさることながら、注目されているのが多様な関連事業。学芸員や識者による座学講座、仏像の前での座禅会のほか、鎌倉時代の文化に触れてもらう「流鏑馬体験」なども行われている。「展示内容や時代背景などを意識し、興味を引きやすい企画を考えている」と同館担当者は話す。
「場」の活用進める
開放的かつ音の響きが良く、以前からコンサートを実施していた同館。毎月15日、開館前にエントランスで地元ゆかりの演奏家による公演を定期開催しており、「街なかミュージック」と連動した雅楽ライブも実施。さらに、特別展の関連企画として、吹き抜けの展示室に舞台を設けた能と狂言の上演では、用意した115席に対して1300人超の応募があった。今後も海を臨むロケーションや洗練された外観、独自の館内空間を有する美術館の新たな活用を模索する。
「外に出る」
こうした「攻め」の背景には、今年4月に教育委員会から市長部局(文化スポーツ観光部)への移管がある。同館担当者は「他部署や観光事業者と連携しやすくなり、多様な角度で美術館の展示についてPRできるようになった」と話す。
これに先立ち、昨秋にはアートを切り口に衣笠商店街、美術館、衣笠小学校の3者協働で「サテライト展示」に取り組み、ワークショップと成果展示を行った。現在も同商店街が主催している三浦一族のコラボイベントに参加。鎌倉市の大河ドラマ館とのPR協力も進めている。11月に予定されている「スカジャン展」においても、地域と連携した取り組みを考えているという。
また、長井海の手公園ソレイユの丘とのコラボでは、開催中の「絵画と楽しむヒマワリガーデン」で、園内の開花に合わせて横須賀にゆかりのある作家やゴッホ、葛飾北斎などが描いた「ひまわり」の絵をパネルで展示。同館による解説付きでアートへの興味を引きだすほか、相互の観覧特典を付けて誘客も狙う。美術館担当者は「来訪客を市内の他の地域への回遊につなげる、もしくは再訪の機会にのきっかけを作ることができれば」と期待を話した。
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