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横須賀・三浦 トップニュース社会

公開日:2023.04.07

横須賀市
“チャット”で自殺対策強化
NPO連携、24時間対応へ

  • スマホのチャット相談画面

 横須賀市は3月29日、自殺予防対策の体制強化を図るため、チャット相談事業を展開するNPO法人あなたのいばしょ(東京都/大空幸星理事長)と連携協定を結んだ。コロナ禍の社会不安の増大もあり、自殺者数は全国で毎年2万人を超えるなか、チャット機能を活用した相談機会の創出でセーフティーネット構築につなげる。

 「あなたのいばしょ」は、2020年に設立。国内で初めて24時間365日稼働する最大規模のチャット(テキストメッセージによる会話形式)相談窓口を運営している。取り組みは厚生労働省自殺防止対策補助事業にも認定されており、年齢や性別を問わず誰でも匿名・無料で利用できる。窓口となるボランティア相談員は海外在住の日本人を含めて約700人おり、時差を活用して24時間リアルタイムで対応。会話から相談者の状況を分析し、リスクが高いと判別されると臨床心理士など専任スタッフへ代わり、自殺やDV、虐待などの緊急事案が発生した場合は、警察や児童相談所と連携を図り、支援にあたっている。

 大空理事長によると、サービス開始から約3年でおよそ60万件の相談が寄せられ、そのうちの7割が29歳以下の若年層。「声を出せない環境下でも助けを求めやすい」とメリットを説明する。

関係機関つなぐ

 市内には従来から、保健所精神保健福祉相談や横須賀こころの電話などの電話窓口があるが、自殺者が増えやすいとされる深夜から早朝は体制が手薄になる課題を抱えていた。市は同法人のチャット相談機能を活用することで、すべての時間帯で切れ目のない支援ができると期待。また、日常生活で電話をほとんど使用しない若年層に向けたメンタルヘルスケアにも役立てたいとする。

 連携を機に市保健所も緊急用携帯電話を持ち、法人からの情報提供を受けて24時間体制で対応。相談者が横須賀市民で、かつ本人の同意を得た場合は健康部や福祉こども部をはじめとした部局や庁外の関係機関とつないで、課題解決に必要な支援を提供していく。

 同日に開かれた締結式で上地克明市長は「自殺で尊い命を失うことのない社会を作りたい」と述べ、大空理事長も「SNSやチャットから地域や支援機関につなぐことがこれまでの課題だった。全国に先駆けたロールモデルになる」と今後の展開に期待を寄せた。

 相談や取り組みの詳細は、「あなたのいばしょ」で検索。

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