娯楽劇を演じる市民劇団「浜の隠居の会ぷらす」の代表を務める 新谷 健(たけし)さん 鴨居在住 68歳
「生かされた分恩返し」
○…「最初は横須賀に来るのが嫌だった」―。高校1年生の時、「海辺に住みたい」という両親の希望で横浜市から鴨居に移住。横須賀市内の高校に転入する事も考えたが、当時は横浜に「こだわり」があり、鴨居から通学を続けた。大学を卒業後は横須賀市役所に入庁。企画調整課で市のイメージアップを図る仕事や、汐入駅前の再開発事業に携わってきた。「仕事が終われば、海あり山ありの自然に癒される。こんな贅沢な場所はない」。横須賀の魅力に気づかされた瞬間だった。
○…劇団との出会いは市職員時代、懇意にしていた同僚の「演劇やろうよ」という何気ない会話。当初は裏方として参加する予定だったが、人員不足などの理由で主役に抜擢。芝居は未経験ながら、続けるうちに演じる事の奥深さや難しさ、観客に楽しんでもらうにはどうすればいいかを追求するように。「気が付けばハマっていた」
○…転機となったのは第三回公演を控えた2019年。原因不明の難病「ビッカースタッフ脳幹脳炎」に倒れた。意識障害が発生し、全身が動かなくなっていく症状に死をも覚悟した。約3カ月半の闘病生活。懸命なリハビリなどが功を奏し快方へ向かうと「生かされた分なにか人のためになる事をしたい」と劇団に復帰。しかしコロナ禍の影響で公演は中止へと追い込まれていた。そんな中「負けるものか」と「笑読(しょうどく)劇」と称した朗読劇を実施するなど逆境にもくじけなかった。
○…劇団のほかに、芦名の土を使った陶芸活動や文化ボランティアグループ「よこすか市民会議」の副代表という顔も併せ持つ。「歴史や自然、文化など横須賀には色々な楽しみ方があると知ってもらいたい」と市の発展を願い活動を続ける。
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