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横須賀・三浦 社会

公開日:2025.07.25

「肉の藤屋」(横須賀市安浦町)
100年の歴史に幕
常連客から惜しむ声

  • レジに立つ代表の平野三千夫さん

 地元で愛され続けてきた肉の卸売専門店「肉の藤屋」(安浦町3の24)が7月31日(木)の営業を最後に閉店する。創業以来約100年続いた伝統とこだわりの名物コロッケなどは食べ納めとなる。背景には新型コロナウイルスによる長期にわたる自粛生活の影響や、代表の高齢化などの事情がある。4代目の平野三千夫さん(86)は「肉屋のせがれとして生まれ、ずっと店に立ち続けてきた。お客さんに感謝してもしきれない」と深々と頭を下げた。

 同店は1925年に開店。初代の寛さん以来、「品質の良いものを安く」をモットーに、安浦の地で多くの人に親しまれてきた。三千夫さんは70年以上のキャリアがあり、肉の仕入れからスライス作業まで、一連の工程を担ってきた。店内にならべる惣菜は全て自家製。「人間と同じように、牛、豚にも個体差がある。健康優良で太ったものが良い」と自信を持って語る。市内屈指の老舗の閉店とあり、常連客から「これからどこで肉を買えば良いのか」「コロッケが食べられなくなるのはさびしい」などと惜しむ声が聞かれたという。

 三千夫さんは「いつの時代も、お客さん本位であることは変わらない。何世代も続けられてよかった」と静かに話した。

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