三浦商議所青年部メンバーで、イベント「城ヶ島ちょうちん巡り」を企画した 山田 拓哉さん 天神町在住 43歳
情熱で灯す賑わいの明り
○…市内の小学生が城ヶ島をモチーフに海の生き物や景色など自由に絵付けをしたちょうちん。これらを島内の商店街にずらりと飾って賑わいと彩りを添えるイベントを発案、陣頭指揮を執る。千里の道も一歩から。地域活性化や少子化・若年層の人口流出という市の喫緊課題に対して即効性はないかもしれない。しかし、大人が率先して子どもに”三浦の楽しみ方”の見本を示すことで、郷土愛が生まれるのではと期待する。
○…「昔に比べて今の三浦の子どもたちは城ヶ島で遊ぶ機会が減った」とぽつり。自身の幼少期は恰好の遊び場だった。夏になれば海に潜って魚を追いかけ、台風が来れば友達と連れ立って高波をこっそり見に行っては自然の脅威を前に血が騒いだことを思い出す。どんなことでも指1本ですぐに調べられる時代だが、実体験に勝るものはない。島という大きな遊び道具で楽しみ、「ゆったりとした島時間を過ごしてほしい」
○…イベント開催には地元の協力は不可欠。当初は訝(いぶか)しむ人もいたが郷土愛の強いコミュニティーに入るには「まず友だちになること」と、仕事の合間を縫い週3〜4日、熱心に島へ通っては少しずつ信頼関係を築いてきた。他人から顔見知り、知人から仲間へ。半年間かけてようやく提案の場を設けてもらい、賛同を得た。昨年11月に行った催しでは、地元漁協も全面協力するなど機運の高まりに手応えを感じている。
○…家業は三崎のまぐろ料理専門店「くろば亭」。早朝は仕入れ、日中から夜にかけて店の営業。日曜も開店前に三崎朝市へ出店するなど多忙を極めるが、「仕事をしながら社会に対する務めも果たす。この信念は絶対」。そして「利益優先、今が良ければではだめ。皆でやれば、絶対に良くなる」と語気を強める。街が楽しくなれば、店に活気が出る。店が賑わえば、人が集まりまた楽しいものが生まれる。これが思い描く、観光地としての三浦の理想像だ。
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