三浦版 掲載号:2018年2月23日号
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街中アートイベント「下町ワンダートリップ」の実行委員長を務める 出口 景介さん 諸磯在住 29歳

街の魅力、アートで再興

 ○…三崎を舞台に街中展示された現代アートと謎をめぐる「下町ワンダートリップ」。見慣れた港町の風景に写真作品などが置かれ、非日常の景色を映し出す。普段は通り過ぎていた道で足を止め、空間に目を凝らし、芸術に触れてもらう。それはアートが誘う未知との出会いだ。「視点が変われば、まるで見知らぬ地に旅する感覚。埋もれた魅力を再発見するきっかけになれば」と意欲を見せた。

 ○…知人の誘いで中心メンバーとなって以降、様々な先進事例を見聞きしたが、真鶴町の芸術祭の存在が奮起させた。人口1万人に満たない地に5千人の来場者を呼び込んだのは、アートと街の魅力の融合。相模湾に突き出た小さな半島の港町。周囲には箱根、湯河原、熱海と有数の観光地が揃い、人口減少と活性化が喫緊課題。共通点に親近感を覚えると同時に可能性も感じた。「大事なのは今あるものをどう生かすか」

 ○…大学進学で一度は横浜へ出たが、卒業を機に地元へUターンした。生まれ育った諸磯は、向こう三軒両隣はおろか地域ぐるみの交流が日常。都市での生活は便利だが、人間関係が希薄でどこか物足りなさを感じていた。「損得勘定より義理人情。温かさを知っていると寂しくて」。今や三浦も人口減少や少子高齢化などで地縁的関係が弱くなりつつあるだけに、危機感を募らせる。「この先も守りたい」。思い巡らすのは数十年後、どれほどの人が心豊かに暮らしているかだ。

 ○…まちづくりへの労はいとわず、地元青年団体にも積極参加する。「自発的に取り組めば楽しい。明確な目標があるならあとは行動するだけ」。事も無げに言ってみせたあと「論理的に考えるのは小学生の頃から得意で。そのときは悪知恵ばかりでしたが」と冗談めかす。三崎の魅力をアートの力で伝える、という青写真が現実のものとなる日はもう間近。志が伝播し、港町に大きなうねりが生まれる瞬間を待ちわびる。

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