4月1日付で三浦市消防団の新団長に就任した 板倉 博光さん 三崎在住 62歳
重責担い、地域防災に決意
○…4月1日付で三浦市消防団の新団長に就任した。市民の安心安全な暮らしを守る地域防災の要であり、欠くことのできない消防団。8年間の副団長経験を携えて、12分団約220人を統括する立場となり、抱負を語る表情には緊張が漂う。いつ起こるか分からない災害に加え、今は新型コロナウイルスの脅威もあり、これまで以上に警戒しなればならない。「今一度気を引き締め、団員一丸となって臨みたい」
○…三浦市に居を移したのを機に38歳で入団。以降、本業の傍ら数々の現場に出動してきた。記憶に残っているのは、2009年3月に発生した超低温魚市場冷蔵庫火災。「煙で2m先も見えず、車両を近づけるのも大変だった」。幸いにも負傷者はおらず、活動を終えて仲間と遅い夕食を囲もうとしていた矢先、今度は白石町で出火。深夜まで消火活動が続いた当時を振り返った。
○…「前団長の秋本清道さんが築いた体制を引き継ぎ、全力で発展させ、次に渡したい」。長年、三浦の防災に貢献した大先輩から受け取ったバトンは重いが、周囲にはサポートしてくれる心強い団員がいる。また、活動を理解し、快く送り出してくれる家族の支えもあってこそ成り立つのだという。「続けられるのはみんなの協力のおかげ」と感謝の気持ちを噛みしめた。
○…一昨年の台風被害で団員たちは持ち前の機動力と結束力で地域の安全を確認して回り、復旧に尽力した。ひとたび災害が発生すれば、消防隊員らと最前線に立ち任務を遂行。10年前の3・11、東北では避難誘導や出動途上の消防団員が犠牲となった話にも触れ、声を詰まらせる。三浦に暮らし、三浦を熟知する消防団だからこそ活かせる力を集結し、地域防災に役立てていく。
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