私設文庫「潮かおる小さな文庫 のほほん」を開設する 長瀨 初美さん 三戸在住 51歳
小さな文庫で生き方示す
○…6月13日に開所を迎える私設文庫「潮かおる小さな文庫 のほほん」。念願とあって表情には、やる気がみなぎる。近年広く知られるようになったLGBTQといった性的マイノリティ、男女の身体の仕組み、老年期の性など、趣味を兼ねて集めた性と生に関する約1500冊の本が無料で閲覧できる蔵書室だ。必要があれば指導や相談、しかるべき対応が受けられるよう橋渡しも行っていくという。
○…大学病院の看護師として勤務していた約20年前、女性として出生し、性自認が男性である友人がいた。悩みを抱える姿に、自然と性と生について考えるようになったが、当時は性的少数者の社会的認知はまだ低く、インターネットの情報やSNSも普及していなかった頃。正しい知識が得られるのは専ら本で、大正・昭和から現代に至るまでの変遷を知ると、改めてその意義の大切さを実感したという。
○…学校や家庭で、いまだタブー視されがちな子どもへの性教育。現在17歳の自身の子には2歳から教え始め、その後、小学校の保護者の性教育サークルを運営したほか、市外の3団体に所属するなど普及啓発活動に余念がない。今年4月に上梓された専門書では、子どもと一緒に読んでほしい絵本の選書を担当。“先輩ママ”としての経験もいかし、学びの機会を提供する。
○…「これは昔の性科学書。見た人は手袋しなきゃと言うけれど、本は手に取って読んでこそ」。自宅の収納スペースを陣取り、家族からは呆れられてきた秘蔵のコレクションを惜しげもなく並べる。なぜこれほどまで情熱を傾けられるのか原動力を尋ねると、暫く考えたのち「生き方への探究心かな」と一言。小さな文庫からまた新たな伝播が始まる。
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