レンタルスペース「HANPAもろいそ」を運営する 吉井 大輝さん 諸磯在住 30歳
「 HANPA(ハンパ)だっていい」
○…海辺近くの洗練された建物。らせん階段を登ると、懐かしさを感じるあたたかな空間が広がる。5階建ての元保養所をリノベーションしたレンタルスペース「HANPAもろいそ」を昨秋開設。現在会期中の中島由香展「SOZOとは?」では、企画・キュレーションを務める。「表現者が挑戦できて、来場者がカジュアルにアートを楽しめる場になれば」
○…「美術館のない街に新しい”間”を創造する」を掲げ、壁に板を貼り、ペンキで塗装するなどDIY。「動画サイトを参考に見様見真似」というが、電気工事士の資格を取得し、特に照明にはこだわった。こけら落としとなった小網代在住の油絵画家・上野憲一さんの個展では、約300人が来場。盛況のうちに幕を閉じた。「人との間、ゆったりした時間など、様々な意味の”間”を作っていきたい」
○…千葉県・幕張生まれ。大学では環境情報学を専攻し、卒業後はIT会社に勤務した。しかし、あまりのハードワークに1年半で体を壊し、自宅にこもるように。心にぽっかりと開いた穴を埋めるようにニュージーランドへ。自由気ままに好きな釣りをする生活は自信回復のカンフル剤となった。帰国後、ローカルな場所を求め、家族で諸磯に移住。「人生は気張りすぎず、追い込み過ぎず、中途半端でもいい。自分の経験を踏まえ、頑張りすぎる人を支えたい」。施設名「HANPA」には、そんな思いが込められている。
○…昨年結婚し、庭の畑での家庭菜園が趣味。友人も増え、街の雰囲気にも馴染んできた。「三浦は港町。豪快に笑って人々を受け入れてきた。今後は私もアートだけでなく、絵本の読み聞かせやヨガ、気軽に集えるカフェを通して、交流の輪を広げていきたい」
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