三浦 人物風土記
公開日:2022.10.07
「三浦いなりっこ保存会」の会長を務める
水上 俊郎さん
三崎在住 72歳
「子どもはまちの宝物」
○...「理屈抜きに可愛い姿を多くの人に観てもらえて感無量」。稽古場を見つめながら喜びを嚙み締める。今春から「三浦いなりっこ保存会」の会長に就任。第50回の節目となった「いなりっこ」の発表会は、コロナ禍で十分な練習時間を確保できずに迎えたが、盛況のうちに幕を閉じた。「とにかく皆で楽しく演じられた。それで良い」
○...西海上区で4人きょうだいの長男として生まれた生粋の"三崎っ子"。漁師だった父の茂さんは「面神楽」の演者で、物心ついた時からキレのある動きを舞台で披露する背中を見て育った。自身も三崎小4年でいなりっこを経験。「今と違って子どもたちがわんさかいた。テレビもなかった時代だから遊び半分、でも恥ずかしさも半分あったかな」。人の心を打つ舞を演じた。
○...県立三崎水産高校(現・海洋科学高校)入学後、専攻科で無線通信士の資格を取得。大型タンカーなどを相手にする仕事に就き、世界各地を航海した。目まぐるしい日々送っていたが、40歳を過ぎて三崎に戻り、今度は子どもを教える立場に回った。「昔はよく分からずに踊っていたが、歳を重ねる毎に動き一つひとつのに意味があることを知った」。リアルな人間描写に魅せられ、ようやくそれは郷土芸能としての体裁を帯び始めた。「子どもたちには個性がある。大人の押しつけでなく、それぞれの感性を育てるのが大切」と指導の極意を語る。
○...趣味は太極拳とボイトレ。「健康になるし心が落ち着く。木遣りにも活かせる」。指導者も次の世代に変わりつつある。「稽古中、手の動きなんか親父に見える瞬間がある。子どもは本当に宝だね」。先人たちの面影が色濃く投影された魂のDNAは、今後も脈々と受け継がれていく。
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