無理せず楽しく｢家庭防火｣

　○…「家庭から、地域から火災を発生させない」をコンセプトに活動する「三浦市婦人防火クラブ」。小中学生を育てるＰＴＡ所属の母親21人がメンバーで、消防出初式の観閲パレードでは、揃いの赤いユニフォームに身を包み、先頭を切って行進。「存在感を示して、たくさんの人に認知してもらえたら」と凛とした表情で語る。

　○…３人の子持ち。長女が三崎小学校に入学するタイミングでＰＴＡに携わるようになった。害虫防除会社で働く傍ら、積極的に活動にも参加。「先生や親同士と交流できるし、何より子どもの成長を間近で見られる。時間は取り戻せないから」。三役を務めていた頃、当時の校長から防火クラブ発足の話を聞いた。周囲からの人望も厚く、推薦で会長に就任。以降、年４回の研修会で、火を取り扱う際の注意事項や消火器・ＡＥＤの使い方を学ぶほか、市内のイベントで住宅用火災警報器の設置を市民に啓発する。「特に救命講習は繰り返しやることが大事。いざという時、スムーズに体を動かせるようにならないと」

　○…三崎下町で薬局の一人娘として生まれた。消防団員として活動しながら、海南神社の例大祭で汗を流す父・清一郎さんの背中を見て育った。自身も大の祭り好きで、今夏は３年ぶりに開催予定。７地区が持ち回りで年番を務める。参加する花暮区は「神輿番」、入船区は「獅子番」で三浦消防署の塚越克己署長がいる。「コラボが楽しみ」と声を弾ませる。

　○…防火クラブは今年発足４年を迎え、生活スタイルの一部になっている。「協力的な人が多いのも小さな町ならでは。大切な人を守るため、勇気を持って行動する自信も深まった。無理せず、楽しく、少しずつ活動の幅を広げていきたい」