｢音楽は人生の一部｣

　○…日本における女性サックス奏者の草分けとして知られる朝本千可さんのプロデュースで昨夏、ジャズ曲『Ｉ Ｓｅｅ Ｙｏｕ』『Ｄｒｅａｍ ａ Ｌｉｔｔｌｅ Ｄｒｅａｍ ｏｆ Ｍｅ』を発表した。２月11日（土）に開かれる「港音楽祭」で、この２曲を披露する。「一つはソフトに、一つはディープに歌う毛色の違うナンバー。大きなステージに立つのが楽しみ」

　○…米国生まれ。ロックバンド「ＯＫ`ｓ」のボーカルとして活躍した父・克仁さんの次女で、いつも音楽が流れている環境で育った。「母（ティウさん）は小さい頃の私を『話す前に歌っていた。歩く前に踊っていた』と言います」。５歳からモダンバレーを始め、７歳からスタジオミュージシャンとして、ＣＭやテレビ番組に出演。家族バンド「Ｔｈｅ Ｔｓｕｊｉ Ｚｏｏ」でも活動し、父が作詞・作曲した『ＧＲＯＷＩＮＧ ＵＰ ＩＮ ＭＩＵＲＡ』は学校給食の時に流れた。「未だに友人が歌う。覚えていてくれて嬉しい」と口元を綻ばせる。

　○…コロナ禍で規模を縮小して行われた「ミニミニ港音楽祭」に出演した際、透き通った歌声が朝本さんの目に止まった。レコーディングの話に進み、都内のスタジオへと足を運んだ。実力派揃いの音楽家に囲まれ、「初めは自信がなく恥ずかしそうに歌った」というが、徐々に”表現”と真剣に向き合うように。ジャンル問わず曲を聴くようになり、自身の殻を破るきっかけとなった。

　○…大学に通い、世界から見た日本の文化・言語を学ぶ傍ら、ギターやボイトレ、編み物、菓子作りなど、何かに没頭するのが好き。将来の夢は現在模索中。「音楽は人生の一部だけれど、20代は色々なことに挑戦したい」。彼女の好奇心は留まるところを知らない。