市民目線で課題と向き合う

　○…３月13日付けで、第75代三崎警察署の新署長に就任した。「警官の日常は一般人の非日常。一生に一度あるかないかの経験をされている被害者の立場になって、丁寧に業務に取り組んでほしい」と職員約１２０人を指導する。三浦での生活も１カ月が経過。「市民同士の絆が強く、警察にも協力的で接しやすい。ここには受け入れてくれる環境がある」。日に日に魅力を実感している。

　○…長野県生坂村出身。人口２千人に満たない山間部で育ち、高校は松本市にある甲子園の常連校・松商学園に入学した。「通学はバスと電車を乗り継いで片道２時間。とても野球ができる状況ではなかった」と振り返る。村役場に勤めていた父の影響もあり、公務員を目指した。地元で警察官を志したものの枠は少なく、１９８２年に神奈川県警入り。第２志望に神奈川を選んだ理由を「都会でカッコ良かったから」と言って笑う。

　○…警察人生のほとんどを刑事部の暴力団対策課・薬物銃器対策課で過ごした。事件の把握、情報収集・分析、捜査状況の確認、各署への指導などが主な内容。「もちろん現場にも向かうが、机上での作業が多かった。ドラマや映画のような派手さはない。地道な捜査が事件の解決に繋がる」と仕事の奥深さを語る。

　○…保土ヶ谷にある自宅に家族を残して単身赴任中。趣味はツーリングというが「目の前には豊かな自然。でもバッテリーを外したまま」と慌ただしい日々を送る。目を光らせながら市内を巡回する中で課題も見えてきた。「65歳以上の方が40％を超えるまちだが、免許保有率は高い。事故のほか、保護や空き家を荒らされることもある。高齢者が安心して暮らせる対策を講じていくために地域に住むたくさんの方々と交流を深めたい」