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三浦 人物風土記

公開日:2023.09.22

芸能一座「フルーツバスケット」の最高齢歌手として活動する
山田 まさえさん(芸名:マーサはまなす)
尾上町在住 97歳

演歌で届ける笑顔と感動

 ○…元市役所職員や市民アーティストなど総勢120人でつくるボランティア芸能一座「フルーツバスケット」の最高齢メンバーで、三浦・横須賀の福祉施設や町内会、奉仕団体の行事などで公演を重ねる。今月は3カ所の敬老会に出演。どのステージでも力いっぱい歌う姿に観客は感激し、惜しみない拍手が送られた。「聴いてくれる人がいるのはうれしいね」と満面の笑みを浮かべる。

 ○…茨城県で生まれ、6人きょうだいの長女として育った。物心ついた頃から音楽を愛し、実家で大声で歌っていると、家族から「空襲か」と間違われ、叱られるような時代だった。20歳で見合い結婚。横須賀の農家に嫁ぎ、朝から井戸水を汲み、晩まで畑仕事に精を出しながら、子ども2人を育てた。自身が49歳の時に夫が他界。以降はゲートボールに熱中し、三浦へ移住後にはチームを発足。スポーツを通じて住民とつながった。

 ○…70歳を超えた頃、カラオケで演歌を熱唱していたところ、オペラ歌手から「美しい発声」とお墨付きをもらい、一座に入門。好きな花「はまなす」と本名「まさえ」から芸名をつけた。本番前の控え室ではニコニコ。自然体でほのぼのとしたキャラクターが、周りの演者の緊張を和らげる。今では「一座の母」と慕われている。

 ○…息子夫婦と3人暮らし。買い物ついでの散歩や体操、みそ汁を作ったり、洗濯物を畳んだりなど家事もこなす。『ふたり酒』が十八番であることを演歌歌手の川中美幸さんに手紙で伝えると、「いつまでも御元気でね」とメッセージ入りのCDが贈られてきた。この”宝物”を時々眺めてはうっとり。「歌えるだけ歌いたい」。そんな純粋な思いだけを胸に抱き、前向きに、明るく、舞台で表現していく。

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