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三浦 人物風土記

公開日:2024.01.19

「三浦海岸桜まつり」の特別企画でガイドを務める樹木医
楠 恭子さん
菊名在住 46歳

木と人つながる神秘の世界

 ○…日本各地に足を運び、あらゆる樹木の病気を治療する”木のお医者さん”。人と同じように木も診断から始める。年を取るほど治りは遅く、枯れ枝を取り除いたり、土壌を改良したりして、長期にわたって骨の折れる地道な作業をこなす。「三浦海岸桜まつり」20周年記念イベントでは、参加者をガイドすることに。「河津桜や小松ヶ池周辺に生きる樹木の魅力を多くの人に伝えたい」

 ○…青森県出身。17歳の時に人生の転機となる木と出合った。「空き地で咲いていたニセアカシアの白い花。甘く優しい香りに包まれ、その生命力に心惹かれた」。以来木への興味が増し、東京農業大学に入学。林業を専攻した。卒業後は、地元の県職員として林の保全や管理などに携わった。その後、庭や土を作るガーデナーや樹木関連事業を展開するNPOスタッフとして活動。樹木医の資格も取得した。

 ○…コロナ禍で会えない日が続いたシーカヤックガイドである夫との結婚を機に、2年ほど前に三浦へ。移住後、市内の樹木を見て回った。樹齢約600年といわれる三戸の光照寺にある古木「スダジイ」もその一つ。夏の酷暑やリスの食害で腐食が進み、昨秋に自身を含む(一社)日本樹木遺産協会の事務局を務める(株)木風のメンバーで診断。4月から治療を開始する。「力及ばず伐採する木もある。何とか寺の象徴を守れれば」

 ○…草木染めや縄をなう(編む)のが趣味で、植物を余すところなく愛する。「農家のおばちゃんが気さくに話しかけてくれるアットホームな雰囲気」が、まちの好きなところ。市内に点在する遺跡にも注目。「古代文明を支えていた樹木と人の深い関わりを知る神秘な散策ツアーも企画していきたい」。好奇心は留まることを知らない。

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