逗子文化プラザホールの館長を務める 阿部 麻里さん 東京都国立市在住 42歳
顔と顔、見える施設に
○…市民の文化、芸術活動の拠点として、中枢的機能を担う逗子文化プラザホール。この4月から、市の直営から民間3社による指定管理へと切り替わり、新体制下で初の館長に就任した。移行による大きな混乱もなく、施設利用や公演の打ち合わせで訪れる来館者で賑わうなど滑り出しは上々。目まぐるしい日々を送るも「いかにアイデアを出して、活性化に結び付けられるか。今後民間のノウハウが試される」と課せられた役割をかみしめている。
○…公共施設などの企画立案の分野では10年以上の経歴を持つベテラン。前任は都内区民ホールの副館長兼事業課長を務めた。思い出深いエピソードがある。周年を控えた前任地で、記念事業で新たな取り組みができないか頭を悩ませた。導き出したのは地域の商店街との連携。店は公演の広報に協力する一方で、施設は半券などを使って来館者を店へ誘導する。1軒1軒、商店主らの協力を仰ぐ地道な作業だったが仕掛けは奏功。双方が活気づき、顔が見える関係性が築けたことで互いが協力し合う土壌が築けた。「地域との連携で新たな可能性が生み出せたのは大きな成果だった」
○…都内の自宅からおよそ2時間かけて通う日々。初めて踏む逗子の地を知ろうと、赴任前には市内をレンタカーで巡った。「山が近くて海もあって、すごく気持ちがいい」。自然豊かで人に活気もある。「定時に仕事を切り上げて海で夕日を眺めながらのんびりしてみたい。今の密かな目標です」。話が仕事から逸れると朗らかな笑みが浮かぶ。
○…折しも来年は同館開館10周年。予算や時間が限られるなか、事業として何ができるか。「今後1年かけて市民の方のニーズをくみ取りたい。まずは私どもと、利用者の方の顔と顔が見える施設にすること。その関係性から新しいアイデアがきっと生まれてくる」。地域と結びつくことで生み出されるプラスアルファ。それを経験則で心得ている。
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