トランペット演奏者で「なぎさブラスゾリステン」(以下、なぎさブラス)を主宰する 神代(くましろ) 修(おさむ)さん 逗子市逗子在住 49歳
最高の音色、今年も
○…年に一度の特別な日が今年もやってくる。2005年、逗子文化プラザホールの開館を機に、国内トップの金管・打楽器奏者で結成された「なぎさブラス」。ソロやオーケストラで多忙を極めるメンバーが、一人も変わることなく10数年公演を続けていることに「奇跡のよう」と感慨深げに語る。「何よりメンバーが逗子公演を心待ちにしてくれている。それが嬉しい」。無論、自らもその一人だ。
○…ホールの建設計画段階から携わってきた。記念事業として「何かやるなら日本一のブラスアンサンブルを」と旗振り役になり、気鋭の演奏家11人に作曲家1人を加えた”ドリームチーム”を作り上げた。「皆本当に忙しく引っ張りだこなので、自分の仕事はスケジュール調整で7割」と笑う。通常とは一風異なる、ホルン2本と打楽器を含む編成は「フルオーケストラを抜け出したような音色」。今年は金管定番の曲目を始め、バレエ組曲などにも挑戦する。作曲家、和田薫氏による新作も聴きどころだ。
○…人生の分岐点だったかもしれない。中学2年生のとき、偶然テレビで目にした元N響首席奏者、津堅直弘氏の演奏に心奪われた。大晦日、公演のチケットを求めて茨城から単身上京。販売店が閉まっていると分かるやいなや、生徒手帳にメモした住所を頼りに自宅に押しかけ、レッスンの約束まで取り付けた。「いい迷惑だったでしょうに、快く引き受けて基礎をつけていただいた。今でも感謝しています」と振り返る。
○…15周年の節目も視野に入り、今やメンバーとファン双方にとって公演はお馴染みになった。毎回欠かさず足を運んでくれる人や県外から訪れる人もいる。「ずっと続けていきたい」。メンバーも口にこそ出さないが、同じ思いを共有していると感じている。いずれは公演だけでなく、地元の学生を対象にした出前授業や鑑賞会を含めた「音楽祭のような企画になったら」。そんな青写真も描いている。
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