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イノシシの脅威【1】 農業の被害多発 迫る人的被害 二子山山系に60頭生息か

社会

掲載号:2018年3月23日号

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罠にかかったイノシシ(提供:同会三井さん)、止め刺し機を持つ石井さん(写真下、左)と役員の三堀修一さん
罠にかかったイノシシ(提供:同会三井さん)、止め刺し機を持つ石井さん(写真下、左)と役員の三堀修一さん

 葉山町では二子山を中心にイノシシが生息し、農業への被害が発生している。人的被害も危惧されるなか、町民有志からなる「葉山わな猟の会」が対策に乗り出している。このシリーズでは3回にわたって実態を追う。

 2月12日、大型のイノシシが捕獲された。体長約1m35cm 、体重 73キロ、推定4〜5歳のオスだった。場所は町立上山口小学校の裏手にある竹林。校舎まで歩いて数分の距離だ。

 「ようやく捕まえることができた」と語るのは葉山わな猟の会代表を務める石井喜三郎さん。この個体は3年ほど前に1度罠にかかったものの、取り逃していた。ケガをして痩せていたが、その牙は大きな存在感を放っていた。「生命力には驚くばかり。もし怪我もなく育っていたらどんなに大きくなっていたことか」と語る。

猟銃使えず

 葉山町は全域が猟銃禁止地域に指定されており、他の鳥獣被害に苦しむ地域と大きな違いがある。使用できるのは箱罠やくくり罠などに限られ、設置や管理に手間がかかるほか、電気を使った「止め刺し機」を使う際にも危険が伴う。

 県によれば町内のイノシシによる農作物被害は14年度から増加している。16年度は野菜、イモ類、果樹あわせて約0・8トン、被害額は約32万円だった。家庭菜園や個人が所有する竹林で筍が食い荒らされる被害もあわせると、さらに大きくなると同会はみる。

 こうした状況を受け、農業従事者や町民有志は16年に同会を発足。現在は38人のメンバーがおり、各自でわな猟免許を取得しているほか、名産のキャベツが大きな被害を受けている群馬県嬬恋村を訪れて研修を受けるなどしている。

町が予算計上

 これまで会の運営は会員たちのボランティアや農林水産省からの交付金に頼っていた。しかし生活被害も含む対応を実施するため、葉山町は18年度当初予算で初めて「イノシシ捕獲業務委託」を計上。自治体として対策に本腰を入れる。

 同会は現在、二子山山系を中心に約60頭が生息していると推定する。しかし、現地を見た専門家からはこう言われたという。「温暖で餌となる木の実や野菜が豊富にあり、イノシシにとっては日本で5本の指に入るほど良い環境。放っておけば10年後には200頭に増えているかもしれない」

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