ブラジルで生まれたニュースポーツ「フレスコボール」の愛好者が増えている。相手を負かすのではなく、協力し合うのがルールという特徴を持つ。ラケットとボールがあればどこでもできる気軽さと、老若男女誰でも楽しめる敷居の低さがその秘訣だ。このほど、国内初の地域クラブとして逗子フレスコボールクラブ(久野雅実代表=人物風土記で紹介)が発足した。
ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ発祥で、現在は南米のほかドイツ、イギリスなどヨーロッパやオーストラリア、アメリカでも広く行われており、競技人口は70万人。国際大会も開かれている。
一般社団法人日本フレスコボール協会によると現在、国内の競技人口は2千人以上にのぼる。今月1日付で逗子のほかに関西、福岡にも地域クラブが発足した。
思いやるスポーツ
卓球のものよりも一回り大きなラケットと、弾力性のあるボールだけでプレーでき、ルールは簡単。2人1組のペアで7メートル離れて向き合い、制限時間内に続いたラリーの数で順位を決める。テニスや卓球のように相手を負かすのではなく、協力し合う必要があり、「思いやりのスポーツ」と呼ばれる理由がここにある。
しかし、大会に出る選手ともなるとラリーのスピードは驚異的だ。5分間で行われたラリーの日本記録は498回。1分間に100回行った計算になる。「ただ打ち合うのではなく、攻めと受けの役割を入れ替えながら行う。状況に応じた素早い判断も求められます」と久野さんは語る。
逗子フレスコボールクラブは毎週末、午前10時頃から午後4時頃まで逗子海岸で練習を行っている。
現在会員は15人。都内から通う人も多く、アクセスの良さから逗子海岸に集まるようになったという。「見学や体験は大歓迎。いつでも声をかけてください」と久野さんが呼び掛けているように、練習を行なっている時であればいつでも参加できるという。
これまでも、子どもから70代まで幅広い年齢層が体験しているほか、昨年秋に開催された逗子市民まつりでも体験会を実施して盛況だったという。
同クラブには、日本代表で昨年のジャパンオープンで優勝した斎藤亮太さんが所属。海外への大会にも出場しているほか、後進の指導にもあたっており、世界レベルを間近で見ることができるのも特徴だ。
また、練習前には必ず、浜の清掃活動を実施している。最高の環境だとわかっているからこそ、自分たちができることをやっているという。久野さんは「多くの人にこのスポーツの楽しさを知ってほしい。将来、ここ逗子海岸で練習した子どもたちから、日本代表選手が生まれてくれたら」と語った。
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