あづま湯(逗子市沼間1の19の11)が2年のリニューアル期間を経て今月1日、復活した。戦後のピーク時には逗子だけで6軒あった銭湯。様々な困難を乗り越え再開の日を迎えたオーナー夫妻は「地域の方たちが憩い、交流する場になったら」と話している。
逗子葉山に唯一残っている銭湯「あづま湯」は、建物の老朽化で2018年8月に改修工事に着手。その年の12月にはオープンする予定だったが、許可申請等の遅れや、新型コロナウイルス感染拡大による資材の納期遅延などが重なった。
「一時はもうやめようか、とも話していたんです」と振り返るのはオーナーの唐澤三雄さん。ボイラーを重油からガスに切り替え配管を一新したほか、玄関だけ面影を残す改修で費用は積み重なるばかりだった。「施工業者さんも、銭湯は初めてだったので手探りで進めた」と妻の晴子さんは話す。
そんな2人の背中を押したのは、常連客や地域住民だった。創業は戦後すぐの1947年。その後、唐澤さん夫妻が15年前に引き継いでからも、街の暮らしとともにあった。近年では逗子ICに近いこともあり、海水浴客のほかハイキングやトレイルランニングを楽しんだ後に汗を流す利用者も多かった。「ふらっと現場に入ってきて激励してくれる人もいて、銭湯が皆さんにとっていかに身近な存在なのか再認識した」という。
今回、炭酸風呂と電気風呂を新たに導入したほか、タイルも滑りにくいものを採用。プラスチックごみ削減のため、シャンプーなどはボトルで設置した。「感染症対策で人数制限や滞在時間の短縮をお願いすることがあるかもしれないが、地域の皆さんの日々の健康に寄り添っていきたい」と2人は意気込みを新たにしている。
問い合わせは【電話】046・871・3929
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