関東大震災の資料を発掘し、次世代への継承活動を行っている市民団体ジオ神奈川がこのほど、「ずし小坪の関東大震災109才の証言」を出版した。
1923年9月1日に発生した同震災は県内に甚大な被害をもたらした。沿岸で発生した津波は小坪にも到達し、大波にのまれそうな船や、坂を急いで駆け上がる住民の姿を描いた「震後津波襲来 逗子小坪所見」(紫雲画、進藤國昭提供)がその様子を伝える数少ない資料だった。
知人のつてで、体験者の高嶋フジさん(109)がいると聞いた同団体の蟹江康光さんと由紀さんは2018年、7回にわたって聞き取りを実施。絵の状況を裏付ける証言を得た。絵本では、母親代わりに幼い弟の世話をしていた高嶋さんが次々と起こる地割れを避けて砂浜へ逃げる様子や、津波到来の知らせを受けて急いで小坪寺へ上ったこと、その後三日三晩飲まず食わずで救援を待った様子などが収められている。
これまで調査、検証してきた内容を加え、英訳も併記。海外の研究者にも読んでもらえる仕様にした。2人は「当時の人たちは1854年の安政東海地震津波の教訓を生かしていたこともわかった。次世代に継承していくためにも、幅広い世代に読んでほしい」と話している。
絵本は1冊1千円で頒布。紡氣(逗子市逗子5の4の35、逗子郵便局目の前)で取り扱い中。問い合わせは【メール】okinaebis@mac.com
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