「高校生による夢の吹奏楽コンサート」の楽団長を務める 小森谷 拳太郎さん 葉山町在住 17歳
仲間と奏でる希望の音色
○…「高校生による夢の吹奏楽コンサート」の発起人、そして楽団長として準備に奔走している。企画運営からステージ設営、演奏まで70人超の高校生で手掛けており、「思いを同じくする仲間がこんなに集まるとは思わなかった。高校生活最初で最後のコンサートを成功させたい」と意気込んでいる。
○…東京都で生まれ、小学校入学とともに葉山町へ移ってきた。音楽との出会いはピアノ。「先生がとても面白い方で、技術というよりは音楽の楽しさを教えてくれた」と振り返る。「楽譜が読めたから」と南郷中で吹奏楽部に入部。母が購入し、「ほとんどそのままだった」というサックスが家に眠っていたことから、演奏をはじめた。自分たちでプロ演奏家を招いて練習するなど切磋琢磨する仲間に恵まれ、それまでほとんど入賞経験のなかった県コンクールで2年時に銅賞、3年時には銀賞に輝いた。
○…高校に入学した年の4月に緊急事態宣言が発令され、以降新型コロナに大きく左右された学校生活を送った。部活動は制限され、コンクールは軒並み中止となり、卒業を目前にもどかしさを強く感じた。「このままでは何もできなかったと心残りになる。最後に思い出を作りたい」と一念発起。昨年10月に思いを友人に伝え、SNSで発信すると瞬く間に賛同の輪が広がった。
○…演奏は聴いてくれる人がいてこそ成り立つことを痛感し、場作りにも興味を持つきっかけとなった。今回の企画には「次世代が引き継いでくれたら」との思いも込めているという。春には音楽大学への進学が決まっている。「音楽は人生を豊かにしてくれるもの。その素晴らしさを広めたい」。コロナ禍で見つけた希望の光が、行く先を明るく照らしている。
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