逗子・葉山 人物風土記
公開日:2023.10.20
NPO法人葉山環境文化デザイン集団の代表を務める
高田 明子さん
葉山町一色在住 72歳
人とつながり楽しむ
○…葉山の歴史的建造物の保存や活用、まちの魅力を再発見するツアーなどを企画するNPOの立ち上げから参加し、5代目代表を務める。「宅地開発で古民家がかつての10分の1以下になっただけでなく、木々も切られ、環境も変わってきた。葉山らしさを残していきたい」と言葉に熱がこもる。現在は、来年築110年をむかえるなか、存続の危機にある旧東伏見宮葉山別邸の保存活動に尽力する。
○…空間デザイン会社に勤務していた約25年前、あるショールームの企画で、葉山芸術祭のメンバーに出会った。後のNPO創設者で、意気投合し芸術祭にも関わるようになった。バブル崩壊の波で別荘が宅地開発されるようになると、NPOではまちづくりのグランドデザインを作成。市民団体の活動成果発表の場、葉山まちづくり展(現・まちfes葉山)などで、展示・提案をしてきた。「仲間たちと夜中までお酒を飲みながら喧々諤々やっていたけど、楽しかった」と当時を振り返る。
○…武蔵野市出身。子育て中に逗子住まいを経て葉山へ。幼少期、夏休みに別荘で過ごしたこともあり馴染みのまちだった。娘ふたりを地域の人によく面倒見てもらったことから、恩返しに「落ち着いたら地域貢献したい」と思っていた。「自分も周りの人も楽しく幸せに暮らせるまちに」との思いで活動を続ける。今やまちを歩けば「明子さん」と声をかけられるまでになった。
○…これまでの活動で、平野邸や足立邸など消滅の危機にあった別荘を救ってきた自負はある。今後は次の100年をどういうまちにしていくか、若い人の考えを尊重したいと思っている。根本にあるのは「人と人をつないで楽しいまちを作る」という熱意だ。
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