逗子・葉山 社会
公開日:2026.10.09
葉山町在住今村直樹さん 「冒険心、止められぬ」 アフリカ大陸を駆ける--。「ディフェンダートロフィー」へ
知力に体力、強靭な精神力、課題解決能力、コミュニケーション力――。これら”冒険”に必要なスキルを争うアドベンチャー競技「ディフェンダートロフィー」に日本からただ一人、今村直樹さん(葉山町在住・49)が出場権を得た。今年11月から約1カ月にわたり、アフリカ大陸を舞台に繰り広げられる本選へ挑む。
同大会は、自動車メーカー「ジャガー・ランドローバー」が手掛ける世界規模の競技会。1980年から20年間にわたり、同社製の四輪駆動車を使用して世界各地で開催されていたオフロード冒険イベント「キャメルトロフィー」の系譜を受け継ぐ。
大会では、同社の車両「ディフェンダー」に少人数のチームで乗り込み、課されるタスクをこなしていく。だが、ここで問われるのは単にオフロードの踏破や運転技術だけではない。むしろ、そこに至る過程。課題をクリアする際の安全性や正確性、仲間との協調性などが審査される。さらにユニークなのは、1位に選ばれるのはチームではなく、あくまで個人ということ。優勝者は自然保護団体と活動をともにする仕組みだ。
予選は60を超える国で開催。日本では、昨年11月に山梨県のオフロードコースで2日間にわたり開かれた。事前の書類選考には200人を超える”冒険者”が殺到。24人が通過し、本大会1人の座をかけて己のアドベンチャースキルを競い合った。丸太を組み合わせて川に見立てた地に橋を架け、車両を渡らせる課題や、ロープやウインチを使って障害物を撤去する課題など、計10個のタスクが課された。
今村さんは海や山での自然を通じた学びを子どもたちに伝える教育実践者。葉山町内で学童保育「TIDEPOOL」やフリースクール「うみやま葉山」を運営している。
本格的なモータースポーツ歴はないが、30代で挑戦したアドベンチャーレースの経験や、日頃の山や海での作業で培った感覚などが予選で威力を発揮。「特別な訓練というより、自然と共に生きる中で身についた体感覚」と今村さんは分析する。
泥だらけの姿
大会への憧れの原点は、小学3年生の時に遡る。車好きの父の影響で目にしたキャメルトロフィーの映像。ディフェンダーとそれに乗る大人たちが泥だらけになりながらも突き進む姿が、脳裏に焼き付いた。
3年前からラリーへの挑戦を模索。そうしたところ、昨年夏、20年以上ぶりに再興した同大会の存在を知り、少年時代の熱い思いを英文の応募書類にぶつけた。「気が付けば応募していた。それほど思いがあふれ出た」
3000Kmサバイバル
10月末からアフリカ大陸へ渡る。詳細なコースや課題は不明だが、3000Kmにも及ぶ旅路になる可能性もあるという。スタート地点はアフリカ南西部の国ナミビア。指定のカバンで移動し、感染症の予防接種や薬の準備、機材メンテナンスなども自力でこなすサバイバルだ。
「何でも調べられる時代だからこそ、自分の体で泥臭く体験し、感覚を拡張していくことが大切。泥だらけになって挑む楽しそうな大人の背中を見せられたら」
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