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藤沢 社会

公開日:2016.03.04

藤沢の団地を考えるVol.2
身体が不自由でも、心は自由に
辻堂団地 地域つなぐ新拠点

  • 副理事長の大郷さん(左)と理事長の横川さん

  • 遊具を使って遊ぶ子どもたち

  • 午前中ヨガを体験する住民ら

 前回紹介した駒寄団地の介護事業所「ぐるんとびー」をはじめ、昨年10月には、辻堂団地のスーパー跡地に放課後等デイサービス「遊びリパーク リノア」が開所。市内各所で団地の新しい活用方法が広まっている。

◇ ◇ ◇ ◇ 

 リノアは、肢体不自由の小中高校生が遊びを通してリハビリを行い、生き生きと過ごすことを支援する施設。市内のみならず、鎌倉や茅ヶ崎の養護学校から、延べ10人の子どもたちが学校帰りに訪れている。

 リノアを運営するNPO法人ラウレアの横川敬久理事長は、「地域に足りないこと、やるべきことを考えた時に、肢体不自由児の放課後の居場所が圧倒的に少なかった。さらに痰吸引などの医療ケアが必要となると、ますますハードルが高くなるので、遊びながらリハビリや医療ケアも受けられる場所を創ろうと思った」と設立の想いを語る。

広がる選択肢

 200平方メートルという広い空間で子どもたちは自由に走り回ったり遊具で遊んだり。思い思いの時間を過ごす。時にはのこぎりを使った木工作業など「今まで挑戦したかったけれど、できなかったこと」に取り組む。作業療法士で、副理事長の大郷和成さんは「思うように身体を動かせない子も多いけれど、リスクを恐れるよりも無限の可能性にチャレンジしてほしい。好きなことや経験値を増やすことで能力も高まり、結果的にリハビリになる」と語る。  開所から5カ月。年長の子が年下の子の世話する姿が見られるほか、相談相手が少なかった保護者も「この子の生き方の選択肢が広がった」と、安心感や情報を得る場となっている。

健康づくりの場に

 先月、商業施設「なぎさモール辻堂」がオープンし、再び人の流れが増えたが、付近の高齢者率は23・3%に上る。

 独居や孤独死など、高齢者にとっての懸念が増える中、リノアでは午前中の空き時間を「地域の健康づくりの場」として開放。団地の居住者や近隣住民が気軽にヨガやズンバ教室、人形浄瑠璃などの生涯学習を通じて健康になるためのサポートを行う。「参加費の半分は子どもたちの支援に充てている。『健康になりながら寄付もできる』仕組みに共感する人も多いし、福祉に目を向ける場になれば。今後は介護予防や自治会との連携を通じて、辻堂の福祉向上にも力を注ぎたい」

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