一般住宅に旅行者らを有料で泊める「民泊」を解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行されるのに伴い、営業を希望する事業者の事前届け出が、今月15日に全国で一斉に始まった。藤沢市内では28日現在、正式な届け出はないものの、手続きなどに関する数件の相談や問い合わせが寄せられた。
「民泊」とは、戸建やマンションなどの住宅の全部または一部を活用し、旅行者等に宿泊サービスを提供する施設。2020年の訪日外国人観光客数目標を4000万人に設定する政府は、全国的に不足する宿泊施設を補う受け皿の1つとして期待を寄せている。
事業希望者は、都道府県知事等に台所や浴室など設備の詳細を記した間取りや住宅登記事項証明書、誓約書などの書類とあわせた届け出が必要。受理されれば、住宅専用地域でも年間180日を上限に営業することができる。
先月21日に行われた県議会定例会では、県の基本姿勢や今後の実施方針について議員から質問があがった。これに対し黒岩祐治知事は、「増加が予想される宿泊需要に的確に対応する上で有効」と民泊事業の潜在的な可能性を示唆。その上で「統一的な対応が必要であり、行政指導方針を策定する。健全な事業が推進されるよう市町村とも調整して取り組みたい」と述べた。
また、需要拡大に伴い、近年では無許可の「ヤミ民泊」が取り沙汰されていることについて、違法民泊を把握し、指導するためインターネットを使った調査を実施するなど取り締まり強化の具体案を示した。
藤沢市「県の指針に沿う」
民泊解禁を巡っては、騒音や近隣住民とのトラブル防止のため、自治体独自に制限を設ける動きもある。横浜市では、低層住居専用地域の平日月〜木曜日を営業禁止とする条例案を2月市議会定例会で可決した。
保健所のある藤沢市でも法令に規制を”上乗せ”するかは市判断になるが、現状では独自に打ち出す方針はない。9日、事業者向けに開かれた説明会で市保健所の担当者は「詳細は準備中」とした上で、「基本は県の指針に沿う形。現時点で制限区域を設ける予定はない」と説明した。
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