食事や居場所を子どもたちに提供しようと全国的に広まっている「子ども食堂」。地域で子どもを育てようと大学生や社会人、主婦など約20人を中心にした市民サークルがこどもの日に合わせ、あす5日に新たな食堂をオープンさせる。メンバーは「食卓を囲む楽しさを伝えたい」と話す。
市内10か所目あすオープン
主催は市民サークル「藤沢子ども食堂たんぽぽキッチン」(玉井伸明代表)。5月5日の開催を皮切りに、藤沢公民館で毎月開催を予定している。
鎌倉女子大学や文教大学の学生、主婦を中心としたボランティアスタッフが子どもたちと一緒に料理をする。「盛り付けがおもしろい」「自分で作ったカレーを食べるのが楽しみ」など言葉を交わしながら食事の大切さを伝える。同時に工作といった学習支援も行い、食と学びを支える場所作りを企画している。
同団体は、2年ほど前、玉井代表が子ども食堂の存在を知り、地域で子どもたちを育てようと団体設立を決意。いじめや虐待などに苦しむ子どもの悩みを解決し、元気に通学できるようにという思いで、昨年3月に発足した。ボランティアスタッフは、藤沢市内や近隣の人が多く参加。中には子どもの頃、シングルマザーのもとで育ち、一人で食事をしていた人も在籍している。「誰かと食事をする楽しさを伝えられれば」とスタッフの和田秀樹さんは話す。
子どもの交流の場に
昨年12月にはトライアルイベントと称し、第1回子ども食堂「クリスマス特別企画」を実施。小・中学生5人が参加した。当日はご飯を雪だるまの形にしたカレーと牛乳パックを使ったクリスマスキャンドルを制作。子どもたちからは「緊張したけど、友達が増えた」「料理を作れて楽しかった」と声があがった。
今後は企業や個人などの支援者をつけて運営し、「いつでも行ける場所」として確立することを目標に掲げている。スタッフの育成にも力をいれ、子どもたちとの接し方についての特別講座も開講するという。玉井代表は「地域に根ざし、人と交流を持つ大切さを伝えていきたい」とオープンに向け、意気込みを語った。
発起人 玉井伸明さん
同団体の玉井代表は子ども食堂に「貧困」や「孤食」といった従来のイメージを払拭し、誰でも足を運べる場所にしようと思い立ち、現在の形を作りあげた。
「明日も元気に学校へ行けるきっかけになる場所をつくりたい」という思いに賛同したスタッフ20人と昨年から構想を練ってきた。来たるあすオープンを迎える。「地域全体で子どもの食育と学習支援をしていきたい。悩みがあれば解決策を一緒に探し、サポートしていきたい」と思いを語り、「地域や仲間の輪を作り、子どもの成長を支援してきたい」と今後を見据えた。
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