「手をつないでいても怖くて動けない」「食べろといわれても、あれは無理」――。
認知症の人が見ている世界をVR(バーチャルリアリティ)機器を使って疑似体験する研修が8月24日、市役所で開かれた。市職員や福祉施設関係者らおよそ100人が参加し、自分たちの見ている景色との違いを実感した。
体験した内容は、車から降りるだけなのに、まるで断崖に立たされているかのように見える「私をどうするのですか?」や、自分のいる場所がわからなくなる「ここはどこですか」、また見えないものが見えたり、見ているものが別のものに見えたりする「レビー小体病幻視編」。いずれも実際の認知症の人たちの監修などを受け作られた。
体験した職員らからは驚きや困惑、怖さを感じたなどの声が数多く聞かれた。その後の話し合いでは「認知症の症状を頭で理解はしているが、ここまでとは思わなかった」「認知症の方が感じている不安や恐怖は本物。接し方を考えたい」などの声が上がっていた。
このVRを使った認知症疑似体験は(株)シルバーウッド(東京都港区)が開発。研修講師を務めた代表の下河原忠道さんは「共感することで認知症があっても幸せな暮らしはできる」などと訴えた。
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