市内打戻にある古民家を再生し、地域コミュニティーの拠点にしようとする計画が進んでいる。長年、市北部のまちづくりに携わっている慶應大学SFC上席所員の原悠樹さん(34・片瀬在住)が中心となり、地域の有志と連携して地域活性化を目指している。将来は、シェアオフィスやイベントでの活用、教室や講座の会場など市北部の拠点にしたい考えだ。
再生が計画されているのは、昨年まで「古民家食堂ごんばち」として利用されてきた築90余年の古民家。関東大震災の大正14、15年頃、小屋裏に養蚕室を備えた養蚕農家として建築され、戦時中に廃業した後は、所有者の母屋として利用されていた。その後、長らくは空き家となっていたが、2005年に貸し出され、古民家食堂として親しまれてきた。
昨年、店じまいにともない、建物の取り壊しが決まっていたが、原さんが「御所見の特徴でもあり、歴史的価値がある建物を壊してしまってはもったいない」と、再利用の方法を模索してきた。
最初は建物の移築なども考えたが、費用がかかりすぎると断念。今回、地元の有志らと話をするうちに、市北部には気軽に集える場所が少なく、「まずは、みんなにオープンな集える場所がほしい」と、水道や電気などの整備を進める運びに。最低限の費用は、クラウドファンディングで資金を募るという。
協力者の一人で、遠藤でレストランを経営する里崇さんは「地元野菜の収穫体験や料理教室などで活用したい」、また湘南和ハーブの会の瓜田綾子代表は「緑豊かな北部の散策イベントや講座などを開いてみたい」と期待している。
原さんは「地域の思い出が刻まれた古民家の価値は建物だけでない。新たな出会いを呼び込むツールになる。第一歩を踏み出したい」と話した。
今後は、ホームページのほか、21日に湘南台公園で開かれるイベントや28・29日の藤沢市民まつりなどにブースを出展し、協力を募る予定。
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