6月下旬、約3カ月ぶりのグラウンドにうれしさがこみ上げた。「短時間の部活動で、ネットを直すだけで終わっちゃいましたが」と笑顔を見せる丸山ひとみ(3年)。グラウンド内の移動は一番早く、使用した椅子などの消毒も率先して行っていた。「誰よりもストイック」とは岩田英司監督からの評だ。
入部のきっかけは中高一貫の湘南学園中2年の夏。マネジャーが足りずに困っていた野球部員を助けようと始めた。しかし当時、ルールはおろか投手、捕手、一塁といった用語を一つも知らないほどの初心者。それでも中学時代から約4年間、続けて来られたのは「選手たちのおかげ」。謙虚に言う。
投手・中村昌彦(3年)が打たせて取る丁寧なピッチングで粘るスタイルのチーム。部員11人と少数で、昨秋の地区大会でリーグ3連敗を喫すなど苦しい状況の中でも、丸山は同時期に練習試合で見た逆転本塁打が忘れられない。「感動してしまって。何気ないプレーの一つひとつが、こんなにも人を幸せにする。今は野球が大好きになった」
だからこそ、コロナ禍で3月下旬から練習の無い日々がもどかしくて仕方なかった。「まずグラウンドに行きたい」。普段から練習環境に恵まれている訳では無く、他校のグラウンドを間借りすることも多かった。休止中は自然と足がそこへ向かうこともあった。
その中で、夏に向けて選手一人ひとりに贈る手作りのお守りは例年以上に時間をかけて制作。各選手が使用しているグラブの色に合わせた生地に、丁寧に針を進め名前の刺しゅうを施した。「全員が無理なく、後悔なく、楽しく」。真っすぐな瞳で、特別な夏への思いを込めた。
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