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藤沢 文化

公開日:2020.07.17

”祭神出現”故事に倣い
「江の島天王祭」今年は粛々

  • 当時使われた臼に置かれた唐櫃と海水で分霊を清める神事の様子

 市の重要無形民俗文化財に指定される「江の島天王祭(八坂神社例祭)」が14日、江島神社境内などで行われた。毎年多くの見物客を集める「海上渡御」は新型コロナウイルスの影響で中止に。今年はみこしを出さない縮小版での開催となり、関係者ら約40人が粛々と見守った。

 祭礼は江戸時代末期、対岸の小動(こゆるぎ)神社=鎌倉市腰越=が大波に流され、神体の木像を島の漁師が引き上げて祭った言い伝えにちなむ。特に男衆らが勇壮にみこしを担ぎあげる海上渡御は夏の風物詩としても知られ、江島神社によると、みこしを出さない斎行は長い歴史の中でも初めてという。

 神事では、八坂神社祭神のスサノオノミコトの分霊を唐櫃(からひつ)に納め、行列を組んだ一行が太鼓を鳴らしながら島内東浦地区へ。当時使われたとされる臼と戸板に唐櫃を乗せ、神職が海水で清めるなどして故事を再現した。

 江島神社の相原圀彦宮司は「今年4月に天王祭が市の文化財に指定されたばかりで、(縮小開催は)残念の一言。来年は盛大に開催できるよう、1日も早くコロナが終息すれば」と話した。

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