機動力を前面に出した攻撃的野球で頂点を狙う藤沢翔陵。「思い出作りではなく、勝ちに行く」。元プロ野球選手でロッテ・阪神に所属した川俣浩明監督をはじめ、部員全員が口を揃える。スローガンは「激走翔破」。「エースもホームランバッターもいない。でも全員で確実に1点ずつ取れるように」。走塁の練習に力が入る。
その中で、投手を務める主将の松尾悠平(3年)は、毎朝、職員室前で監督を待ち、練習メニューを確認するなどの姿が「とにかく真面目で、責任感のある選手」と一目置かれる。感染症拡大の影響で、甲子園の中止が発表され、「突然目標を失い、部員らの気持ちが下向きになる場面もあった」。しかし、「大会を用意してくれた皆さんに感謝して」と声出しや基礎練習など自ら率先して行い、士気を高めていった。その姿に刺激され、自主練を行う選手も増えた。
身長182cm。元々は手足の長さを生かした一塁手だったが、「リリースポイントが前で球速もあり、相手もタイミングが取りづらく打ちにくいと思う」と監督が分析するように、徐々に投手を任されるようになった。「ストライクを入れるよう意識している。投手のリズムが良いと守備もやり易いはず」と守備の気持ちも理解した堅実なプレーでチームを支える。
コロナ禍では、近所の小さな公園でのキャッチボールなどに留まり、もどかしさもあった。今月に入り連携プレーを意識した全体練習も再開、強豪校との練習試合の機会も増えてきた。「一試合、一試合を大切に」と松尾。集大成の舞台での「優勝」へ意欲をにじませた。
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