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藤沢版 公開:2021年1月8日 エリアトップへ

「走れ機関車 夢乗せて」 SL少年団がミニ列車運行

文化

公開:2021年1月8日

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団員が運行するミニSLを見守る近藤さん
団員が運行するミニSLを見守る近藤さん

 真っ黒な車体が目を引く蒸気機関車が展示されている鵠沼運動公園(通称・八部公園)で、毎月第2日曜日に運行する「ミニ鉄道」が地域の子どもたちを中心に長年人気を集めている。運営を担うのは鉄道好きのボランティアからなる「藤沢SL少年団」。昨秋に乗車会が40周年を迎えた。団員らは「SLを残すためにも、活動を未来につないでいきたい」と声を揃える。

 多くの市民が憩う週末の公園。蒸気機関車「しおかぜ号」が鎮座する広場にはカンカンという踏切の音、プルルルという発着ベル、乗客の歓声がにぎやかに響く。「出発進行」と運転手の誇らしげな声。「シュッシュポッポー」と響く汽笛と白煙。乗客を乗せ、ミニSLが走り出す―。

 現在の団員は小学1年生から中学3年生まで46人。乗車会をきっかけに加入した団員が多く、みな「SLが、電車が大好き」と声を弾ませる。

 活動は、しおかぜ号の保全と乗車会の運営が主。イベントでは車両の運転や信号切り替え、駅務係など運転に関わる全業務を団の子どもたちが行う。発足当時から加入し、現在は藤沢鉄道車両保存会の一員として団をサポートする真木二郎さん(49)は「主役は子ども。技術や想いの指導伝達も基本的に団員同士で行うのが”SL少年団流”」とほほ笑む。

SL誘致も子どもの願いから

 1976年に同園にやってきたしおかぜ号。当時はSLブームで、旧国鉄で廃止になる際、市内小学生の「藤沢市でも保管してほしい」という市への手紙をきっかけに誘致され、同年に「未来につながるのは子どもの力」と同団が結成されることになった。

 乗車会の前には、全員でしおかぜ号のさび落としや油磨きなど保全清掃を実施。団員は「SLは藤沢の宝」と胸を張る。

 ミニ鉄道は動くSLの魅力を伝えるべく80年に開通。線路は全長200m、車体は5インチゲージ。江ノ電や三陸鉄道など全37両がそろう。寄贈や購入のほか、団で自作した車両もある。一番人気はもちろんSL。電気ではなく石炭をボイラーに入れ、蒸気の力で走らせる本物同様の構造だ。

 乗車会の花形、運転手に就くためには試験があり、挑めるのは小学5年生以上。低学年の団員は「運転したくて入団した。今は修行の身」と瞳を輝かせる。

 現団長の近藤忠幸さん(42)は小学校1年生の時に加入。現在は鉄道関連職に就き「幼い時の情熱のままに働けているのは団の活動のおかげかな」と笑う。「これからも機関車は多くの人の夢や願いを乗せ、支えられて走り続けられる」と語った。

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