高校野球の第103回全国選手権神奈川大会で藤沢翔陵高校が35年ぶりのベスト4進出を果たした。26日、サーティーフォー保土ケ谷球場で行われた準決勝では横浜高校に敗れたが、川俣浩明監督(48)は「思っていた以上の結果が出た。よくがんばった」と選手たちを称えた。
ノーシードで臨んだ今大会は、「0点でおさえる」と挑んだエース・橘海斗選手(3年)が完封するなど、初戦から3回戦まで無失点。3回戦では春に惜敗した好敵手・湘南学院に雪辱を果たし、5回戦では第二シードの相洋を下すなど、チームで掲げた「和力」を体現したプレーで駒を進めた。
”戦友”の思い背負い
4強進出は、王者・東海大相模が選手の新型コロナウイルス感染に伴って大会を辞退したことで決定した。「相模のことを思うと正直全く喜べなかった」と川俣監督。選手らも「戦ってベスト4に進みたかった」とやり切れない気持ちだった。それでも「相模やこれまで戦ってきた”戦友”たちの分まで、少しでも良い試合を」と気持ちを高め、準決勝に挑んだ。
迎えた35年ぶりの大舞台。前回の4強入り時も対戦校は横浜。当時4対5の激戦を繰り広げたというOBからは激励メッセージも届いた。「横浜を倒す」。決死の思いで試合に臨んだ。
だが名門の壁は厚かった。今大会活躍した橘選手も初回一死でマウンドをおりた。「気持ちで負けてしまっていた」。守備の失策も絡み、2回までに8失点。4回に福富大地選手が三塁打を放ち、その後1点取り返す粘りも見せたが、1対9の7回コールドで最後の夏に終わりを告げた。橘選手は「自分を信頼してもらって、先発に選んでもらったはずなのに結果が出せなかったことが何より悔しい。できることがもっとあったはず」と悔しさをにじませた。
「力は出し切った」と川俣監督は、新チームでの新たな出発へと前を向く。「2年生は先輩の姿を間近で見て貴重な経験を積んだ。この経験を生かして、技術面やメンタル面、チームワークを高めていければ。期待している」。橘と福富の両選手も「とにかく自分たちの分まで一生懸命やってほしい。相模と横浜にリベンジを果たしてくれれば」と声を揃えた。
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