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藤沢 トップニュース社会

公開日:2021.08.13

「生ごみは資源」常識に
飲食店主がコンポスト開発

  • 「コンポスター環」を紹介する里さん

  • 右が生ごみを入れて2日目。数日経つとほぼ土にかえる

 循環型の食生活、始めてみませんか――。遠藤にある「農家レストランいぶき」店主の里崇さん(39)が、家庭から出る生ごみを微生物の力で分解する「コンポスター環(たまき)」を開発した。コロナ禍に伴う外出自粛で自炊する人が増える中、環境に優しいごみの減らし方に着目。生ごみを堆肥に変え、家庭菜園に活用することで資源の循環につなげる狙いだ。



堆肥化し家庭菜園で活用



 縦24cm×横38cm×奥行き26cm。小型の段ボールほどの大きさで、集合住宅のベランダや屋内などスペースが限られた場所でも使うことができる。



 基材には炭や乾燥させた植物を混ぜ込んだ独自配合の土を使用。これに附属の米ぬかを混ぜ込むと準備完了で、野菜くずや食べ残しなどほとんどの生ごみが分解できる。



 刻んだ野菜の皮などを穴に入れ、土とよく混ぜる。1日ほど経つと内部の温度が40〜60度ほどに上昇。発酵が進んでいるサインといい、季節や条件にもよるが3、4日で跡形もなくなり、臭いも気にならないという。



 かねてから環境に良いことを農業を通じて広めたいと考えていた里さん。地場野菜や発酵調味料を使った料理が売りの同店では、総菜を全て手作りする分、毎日大量の野菜くずが出るが、「これを自家処理できればすごいことになるのでは」と開発を思いついた。



 箱のサイズや形状、土の種類などを変えながら、3カ月間毎日、試行錯誤。また土づくりも植物を育てることを前提に配合にこだわった。同店では現在5箱を使用し、生ごみを分解。熟成させた土は堆肥として家庭菜園に使っており、店の一角にはミニトマトやオクラ、サツマイモ、ハーブなどの鉢がずらりと並ぶ。「土と水だけで面白いように育つ。菜園の楽しさがあればごみ処理も続けやすい」と里さん。



 生ごみは水分が多い分、焼却処理した際より多くの二酸化炭素を排出する。だが自家処理すれば、それはもはやごみではなく資源だ。「生ごみは土にかえし、植物を育てるものだという新しい常識。循環型社会のニューノーマルを発信していきたい」と話した。



 同店ではキットや土のセットを4500円で販売。8月14日(土)と29日(日)の各日午前10時からワークショップもある。問い合わせは同店【電話】0466・86・7602へ。

 

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