木曜日の夜、鵠沼公民館からジャジーな音色が聞こえてくる。公民館生まれのジャズバンド、その名も「サースナイトジャム」。コロナ禍で活動を自粛していたが、結成30周年の節目にあたり活動を再開。1月22日(土)の記念ライブに向け、発起人の金子健治さん(81)=湘南台=は「気心知れた響きを、自由に楽しんでもらえたら」と意気込む。
昨年11月末、市内のギャラリー。メンバーの一部がミニコンサートに出演した。ベースなどリズムパートの上を自在に「歌う」サックスの音色。スタンダードの「マイリトルスウェードシューズ」から「スタンドバイミー」まで、無数のレパートリーから珠玉の一曲を奏でる。安定した熟練の響きに、観客の肩も自然と揺れる。
出演を終え、「やっぱり生の音に限る。このメンバーと合わせるのはいいね」と金子さん。相棒のサックスを撫で、トレードマークの丸眼鏡と歯を見せて笑う。
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「サースナイトジャム」は、金子さんが鵠沼公民館長を務めていた1991年5月に結成した。金子さんが人づてにジャズ好きを集め、「木曜日の夜のセッション」の名を冠して結成。その名の通り、はじめは自然発生的なセッションが多く30人ほどが流動的に参加していた。
その後、5年を経て10人前後に。プロを目指す者などメンバーの入れ替わりを経て、現在は市内在住者を中心とした50代〜80代の男女10人。「自由に入り、気軽に無理なく続ける」ことと「木曜の夜が練習日」なのは今も昔も変わらない。
リーダーは数年前に金子さんから石塚弘志さん(60)に交代。ピアニストとして、メンバーが持ち寄る多種多様なジャンルの曲に柔軟に対応し、バンドの屋台骨を担っている。
バンドは、ライブハウス出演や福祉施設訪問、月1回の飲食店でのライブを定例活動にしていたがコロナ禍でことごとく舞台が無くなった。発表の場を失い、各自が自宅で練習する日々が続き、気づくと30周年の節目が近づいていた。
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「続いてきた秘訣は『公民館』が拠点だからこそ」。金子さんは言う。「日常生活に潤いを」と活動できる公共の開かれた場。そこに通う人々は職業は違えど自然と似た境遇だった。会社勤めや主婦のメンバーも皆、「木曜の夜は残業しない」と思いを一つに、夜な夜な集っている。
「結成30周年ライブ」の会場はもちろん、原点の鵠沼公民館ホール。「ジャズにはハラハラ、ドキドキ、そして自由で一匹狼のような側面もある。そんな演奏を聴かせられたら」
午後2時から3時30分。入場無料(申込制)。申し込みは同公民館【電話】0466・33・2002へ。
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