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藤沢 社会

公開日:2022.02.04

バイオクロマトがW受賞
独創性や将来性、高く評価

  • 賞状を持ちほほ笑む木下社長

 研究機関向けの理化学機器の開発や販売などを手がける(株)バイオクロマト=本町=がこのほど、「グッドカンパニー大賞」の新技術事業化推進賞と「はばたく中小企業・小規模事業者300社」をダブル受賞した。木下一真代表取締役(47)は「これまでは開発製品の表彰が多かったが、今回は会社自体が評価されてうれしい」と話した。

 グッドカンパニー大賞は(公社)中小企業研究センターが1967年に創設し、日本で最も歴史と実績がある中小企業のための表彰と言われる。今回同社は市内事業所としては53年ぶりの受賞となった。

 はばたく中小企業・小規模事業者300社は中小企業庁が選定。同社は需要獲得の分野で「研究の効率化ニーズに基づく画期的な商品開発」と「自社工場を持たない『ファブレス生産』と世界20カ国との積極的な輸出のビジネスモデル」として評価された。

 同社は元々、半導体装置関係の商社として創業。先代の後を継いだ木下社長が約10年前に開発事業を始め、メーカーに業態転換した。

 特長はその開発方法。企業や大学、研究機関など取引先の研究者のアイデアを製品化する。特許は大手企業と共同で取得。技術的優位性や独占販売権は同社が保有し、開発と最終的な組み立て調整は同社が実施。加工部品製作は他の中小企業と連携することで、国内外の大学や研究機関から受注を獲得。また連携企業の売上増、雇用創出にも貢献している。

積み重ねが花開く

 今回の賞で高く評価された同社の製品「コンビニ・エバポシリーズ」(試料前処理の時間を短縮し、研究者の負担を軽減する装置)は、現在国内ほぼすべての理工系大学、大手企業や研究機関に多数納入され、事業の柱の一つとなっている。

 だが「最初は全く売れずに苦労した」と木下社長。利益も出ず、融資もおりず苦しい状況の中、海外の展示会に積極的に出展。研究者とのネットワークを拡大するなど地道に努力を積み重ねたという。「努力は1日してならず。理系でもなく英語も喋れないのに、よくやったなと思う」

 同時期に「精神訓練」として始めたごみ拾いは、毎日欠かさず続ける”力”となり、今日につながっているという。木下社長は「チャレンジし行動し、やりきる。今後はそんな人を創っていきたい」と話した。

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