藤沢 社会
公開日:2023.09.29
8月までの被害額9700万円
「オレオレ」最多の24件
藤沢市内における今年1〜8月までの特殊詐欺の認知件数は48件で、被害総額は9678万円にのぼることがこのほど本紙の調べで分かった。
前年同時期比で約1800万円増。年間の被害額が3年ぶりに増加に転じた2022年(1億7843万円)を上回るペースで急増している。
21年は「還付金詐欺」が県下ワーストだったが、昨年、今年と親族を装う「オレオレ詐欺」への回帰が目立つ。8月までの件数は24件、被害額は約5640万円でともに最多だった。
認知件数と被害額は藤沢署管内が39件、7729万円、藤沢北署管内が9件、1949万円。手口別では「オレオレ」以下、還付金詐欺が15件、架空料金請求詐欺が2件、キャッシュカード詐欺盗などその他が7件だった。
犯人検挙に全力
昨年1年間の県下の被害総額は約43億8700万円にのぼる。うち半分の約23億3700万円が「オレオレ」による被害だった。
こうした状況下、県警も取り締まりを強化。特殊詐欺の撲滅に向けたプロジェクトを展開するほか、各署でも検挙に全力をあげる。県下では今年8月までの認知件数は1338件で検挙件数は516件。市内の検挙件数は9件だった。
ただ、振り込め詐欺の首謀者を捕らえることは容易ではない。振り込め詐欺は指示役以外にも被害者から現金を受け取る「受け子」やATMから現金をおろす「出し子」など”分業制”を敷いているケースが多いからだ。
「闇バイト」に要注意
県警が被害防止と合わせて注意を呼び掛けるのが、詐欺の末端に利用される「闇バイト」だ。詐欺の「加害者」として巻き込まれる可能性があるという。どういうことか。
SNSなどで「簡単・短時間・高収入」などをうたうアルバイトに応募。特定の場所で荷物を受けとり、渡すだけという作業が実は詐欺の「受け子」というケースなどだ。
途中で加担に気が付いても身分証や顔写真が押さえられ、住所などをちらつかされて抜けられないという図式ができあがる。両署では「本人だけでなく家族も巻き込まれるのが闇バイトの実態。簡単に稼げるという文句に惑わされないで」と注意を呼び掛けている。
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