藤沢 社会
公開日:2023.11.24
平和への祈り 音色で響く
「被爆ピアノ」湘南台で演奏会
78年前、原爆が投下された広島で焼失を免れた「被爆ピアノ」による演奏会が18日、湘南台駅地下のアートスクエアで開かれた。ピアノを所有する調律師の矢川光則さん(71)を招き、かつての戦禍に思いを巡らせながら平和の大切さを参加者らと共有した。
市民団体「湘南SHOW点」(清水友美代表)の主催。ピアニストでもある清水代表が5年前に被爆ピアノを演奏したのが縁で、今年1月、広島の矢川さんを訪ねて演奏会が実現した。
使われたのは矢川さんが所有する7台のうち、爆心地から1・8Kmの民家にあった「ミサコのピアノ」。トークでは被爆2世の矢川さんが戦争の傷跡を伝えるため修復は最低限にとどめたことや、製造当時は民家が建つほどピアノは高価だったことなどを紹介した。
また音楽朗読劇や一般参加者による演奏体験などが行われ、演奏した公務員の中西健一郎さん(46)は「70年前以上前のピアノだが、美しい音色だった」と話した。清水代表は「戦争を知る世代が少なくなる中、特に若い世代が平和について考える機会が失われつつある。音楽を通じて次代に伝えていければ」と思いを込めた。
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