自転車を共同で使う「シェアサイクル」の利用が藤沢市内で急速に伸びている。今年10月までの1年間で利用者は約3万7千人、利用回数は21万回超となり、過去3年間では3倍近く増加した。湘南エリアでも突出しており、観光に加え通学や買い物などの普段使いが利用ニーズを底上げしているようだ。市は「市民の認知が進んだ結果。普及は観光のみならずまちづくりの一助になる」と歓迎している。
シェアサイクルは市街地を中心に設置された「ステーション」に置かれた電動アシスト自転車を登録した人が利用できるシステム。新型コロナ禍以降、「3密」を避ける移動手段として全国的に広がった。
市観光課によると、1年間の利用回数は2020年度(11月〜翌年10月)が約7万5千回だったが、21年度(同)は約14万6千回で、22年度(同)は約21万8千回まで伸びた。ステーションの設置数も20年度は74カ所、自転車約1600台だったが、22年度は129カ所約3800台と倍増している。
また藤沢・鎌倉・茅ヶ崎・平塚・寒川・二宮・大磯の4市3町の利用状況(22年9月〜23年8月)でも藤沢市は利用者が約3万5千人、延べ利用は約19万7千回で2番目の自治体の約2万6千人、約7万9千回を大きく上回った。市内の需要増について、同課では「観光地である江の島があることに加え、自転車の利便性が高い土地であることが事業者に採算性があると判断されているのでは」と分析する。
SFCが最多
経路別では直近の22年度で慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)と最寄り駅の湘南台駅をつなぐルートが上位3位を占めた。次いで湘南台の商業施設と駅を結ぶルート、江の島周辺、辻堂の駅前などと続いた。時間帯別では平日は通勤通学時間帯の7〜9時、午後5〜7時の利用が多く、週末は昼前後の利用が多かった。
市は鉄道駅や駐車場などの交通結節点から観光地までをむすぶ「ラストワンマイル」の交通手段としてシェアサイクルを推進。同課では「日常生活でもラストワンマイルの需要があることが分かった。低炭素化や健康づくりなどさまざまな施策との親和性も高く、今後さらに普及が進めば」と期待。観光面では「例えば北部観光の活性化にはシェアサイクルは欠かせない要素。データを今後の施策に役立てていきたい」と話した。
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