「お客さんと話していると、どこに、どういう気持ちで着ていくかまでわかる」。洋裁師として約半世紀、オーダーメイドの洋服を手掛けてきたその目と技は本物だ。
30代で国家資格の洋裁技能検定「特級」を県で初めて取得し、県青年派遣団に初の女性として加わるなどの実績を持つ。
その中で、時代の変化に柔軟に対応してきた。足踏みミシンが主流だった頃に修業時代を送り、電動ミシンを経て、昨今はコンピューター付きミシンの時代。「作業は速くなった」としつつも「下糸が減るときに鳴る音はいつの時代も変わらない。新しいものを、培った感覚で使いこなすことが必要」と語る。
現在は技能検定員としても活動し、後進育成にも精力的に携わる。「検定で見極めるのは上がり寸法、シルエットの美しさ、時間内にできるか否かなど、『その品にお金を払う価値があるか』ということ」。自身も作業では常に自分に向ける問いかけだ。
今回の選出を受け、「この仕事の価値を、多くの人に伝えていきたい」と話した。
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