「片瀬写真館」の3代目で、ポートレート写真展を開く 熊谷 美波さん 片瀬海岸在住
一瞬を一生の思い出に
○…江ノ電がホームに滑り込む駅の近くにあるレトロな看板がモダンな趣を醸し出す。ショーウインドーをのぞき込むと家族写真がずらり。温かな雰囲気がくっきりと浮かび上がり、一枚一枚に物語を感じる。1913(大正2)年に創業した市内で最も古い写真館「片瀬写真館」の3代目がポートレート写真展を開く。「広告用やアート作品とは違う”写真館の写真”を見てほしい」
○…幼少期から父親からカメラを持たされ、撮影してくるたびに出来栄えをチェックされた。「小学校の遠足前にカメラを忘れたふりをしたけれど、父がバスまで届けにきた」と苦笑い。大学卒業後は一般企業に勤めたものの、「やっぱり老舗の伝統を途絶えさせたくなかった」と29歳で家業を継ぐことを決意。技術の研鑽に励んだ。
○…「江の島をライトアップしたんですよ。電球を装飾して」。喜々とした表情でアルバムをめくる。地元に貢献しようと、藤沢青年会議所のメンバーとして活動した熱き時代の記録だ。写真展のモデルに選んだのは、還暦を迎えた同志たち。「赤いちゃんちゃんこ」ではなく、神社の法被を着ていたり、愛車に乗っていたりして、生き生きとした瞬間が活写されている。「若い頃から知っている仲」だからこそ、引き出せる魅力がある。
○…祖父から続く店は関東大震災や太平洋戦争にも耐え、改装しながら現存する。生前の忠犬ハチ公など歴史的価値のある写真も多く残り、まちの文化遺産のようだ。デジタルカメラやスマートフォンでの撮影が容易になった今もここを守り、特別な一枚にこだわる。「着飾ってスタジオに訪れた日も思い出。無理に笑わなくてもいい。その人の良い顔を切り取るだけ。子に孫に、末代まで宝物にしてもらえれば」
積水ハウスの建築条件付宅地分譲3区画コモンステージ藤沢弥勒寺 4月26日~6月30日 現地説明会 https://www.sekisuihouse.co.jp/bunjou/0/14205/b348005/s320003/00014292/06.html |
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