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藤沢 人物風土記

公開日:2025.06.27

7月に団体戦で全国大会に出場する藤沢西高校競技かるた部を長年支える
永吉 寛行さん
藤沢西高校在勤 60歳

 ○…国語の非常勤講師として教鞭を取りながら週2日、放課後の練習に参加する。「生徒たちに1回でも多く、生声での練習をしてほしい」と優しい笑顔の中に熱い思いをのぞかせる。競技かるたとの出合いは1994年に西高へ赴任した時。自身の高校時代の恩師が顧問をしており、誘われたのがきっかけだ。

 ○…転機となったのはその翌年。創部4年目にして2度目の全国出場を果たすも予選リーグで大敗。悔しい思いをし、どうすればチームを強くできるかを考えた末、自身も競技かるたの世界へ。「部員たちと誰が先に個人最高クラスのA級に上がれるか競い合った」と懐かしむ。99年A級へ昇格してからは生徒たちを高みへと導いた。全国大会に8度出場するも、強気な采配だけでは決勝トーナメントに進めず悔しさをにじませたが、2005年に西高を離れることに。「若さ故の至らなさがあった、生徒たちに申し訳ない」と責任を感じ、その後も時々練習の手伝いをした。

 ○…異動するタイミングで内地留学制度を利用し、大学院へ。修士論文では百人一首の中で得意札であった藤原公任を研究。枯れてしまった滝の音はもう聞こえないが、名声は今でも轟いているという句に、「私もそんな生き方をしたい」とにっこり。また雅楽を得意とした公任に憧れ、龍笛を趣味とする。高校で教頭職に就いていたが、「もっと国語に携わっていたい」と一念発起し、19年に大学教授に転職。現在は鶴見大学文学部に勤めている。

 ○…「7年ぶりに全国大会へ進むこの年に、西高に携わることができてうれしい」と感慨深げ。出場する生徒たちにも「ベスト8に進んで、ぜひ近江神宮の空気感を味わってほしい」とエールを送る。

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