戻る

藤沢 トップニュース文化

公開日:2025.06.27

木造帆船やまゆり
「ふね遺産」に認定
五輪の警備艇、江の島で保管

 江の島ヨットハーバーに保管されている木造帆船「やまゆり」=写真(NPO法人帆船やまゆり保存会提供)=が16日、日本船舶海洋工学会が認定する第9回「ふね遺産」に選ばれた。2本マスト(帆を張るための柱)で、1962年に神奈川県警の警備艇として建造され、その2年後の東京五輪ではセーリング競技の警備任務のほか、国内外の来賓用観覧艇としても活躍。「国内では43フィートの大型木造セーリング・クルーザーで現役の船は珍しく、日本のヨット史の中でも貴重」と評価された。

 同会は、歴史的で学術的・技術的に価値のある船舟類、その関連設備をふね遺産として認定している。社会に周知し、文化的遺産として次世代に伝えると共に、国民の「ふね」についての関心・誇り・憧憬を醸成。大切に保存しようとする機運を高め、船舶海洋技術の裾野を形成することを目的にしている。

 ふね遺産にはこれまで「日本丸」「氷川丸」「海王丸」「第五福竜丸」などが認定されている。今回認定されたやまゆりは、ヨットとしては堀江謙一さんの太平洋横断の快挙を支えた「MERMAID」、今給黎教子さんの日本人女性初の単独世界一周を成し得た「海連」に並び、3艇目の栄誉となった。

 やまゆりは、1993年に設立された「やまゆり倶楽部」が保存活動を推し進め、2013年に「NPO法人帆船やまゆり保存会」を結成。現在約170人のメンバーが所属しており、動態保存と共に、海とヨットの魅力を広めてきた。また毎年4月から11月にかけて、親子を対象とした乗船体験「海風セーリング」も開いている。

 同法人の岡田昌巳理事長は「ふね遺産認定の名に恥じないように今までにも増して『直す・磨く・走らせる』の原点に立ち、次の世代につなげていきたい」と話した。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

藤沢 トップニュースの新着記事

藤沢 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS