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藤沢 人物風土記

公開日:2025.07.04

(公社)神奈川県医師会の会長に就任した
鈴木 紳一郎さん
鵠沼東在住 67歳

「未来につなげる医療を」

 ○…県下9900余りの医師が加盟する巨大組織の舵を取る。副会長を2年歴任。会長は地域医療を守るために必要な取り組みを国に提案したり、行政や医療福祉団体と連携して県の医療全体をコントロールしたり、医療に関する正確な情報を県民に発信したりするなど重要な役割を担う。「県民の健康と安心のため精一杯努力していく」

 ○…課題は山積みだ。物価高でも公定価格で上げられない医療報酬や医療従事者の人手不足で、多くの医療機関が危機的状況にある。「”あって当たり前”の医療は決して盤石ではない」。医師を目指す人へ向けて情報発信するウェブサイト「かなドク」を立ち上げ、医師会の役割や医療に従事する魅力を伝えていく。「神奈川は日本の医療の縮図。国内で横展開できる好事例を提言したい」

 ○…藤沢市医師会の会長も8年務めた。コロナ禍では迅速なワクチン接種体制を整え、県内初となるドライブスルー型PCRセンター設置の他、かかりつけ医と訪問看護師が支援する「神奈川モデル」では、チーム一丸となって在宅療養者を24時間体制で見守った。地元では同級生やその親、子を診察することも。「一つしかない命を守れた時、そして『ありがとう』と言われた時、医者冥利に尽きる」と柔和な笑みをこぼす。

 ○…祖父が長後に構えた病院に運ばれる救急患者を目で追うなど、命と向き合う舞台裏を見て育った。尊い仕事に興味を抱き、横浜市立大学医学部へ。外科医として研鑽を積み、現在は藤沢湘南台病院の理事長を務める。「医療業界の未来は大丈夫か」。夢の中でも考えあぐねる日々。「医者になったらいいな」と7人の孫に慈愛に満ちた眼差しを送る。医療を次代につなげ、県民の暮らしに寄与し続けていく。

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