藤沢 トップニュース社会
公開日:2025.08.15
湘南工科大野中教授
国際会議でベストアワード
電動アシスト四輪自転車 重ねた実験評価、共感、期待も
台湾の高雄市で開催された家電など民生用電子機器の国際会議「IEEE ICCE-TW2025」で湘南工科大学工学部機械工学科の野中誉子教授が「ベストポスターアワード」を受賞した。内容は、同教授が取り組みを進める電動アシスト付き四輪自転車について。「とてもうれしい」と喜びを語った。
ベストポスターアワードのポスターは展示と、その傍らで来場者にプレゼンテーションする形式で研究発表を行う部門。今回は世界から審査を通過した56の展示があった。
発表内容は湘南地域のような道幅が狭く、観光客が多い地域で課題となっている渋滞や駐車場不足を解消するために開発を進めている電動アシスト四輪自転車について。レンタサイクルのように誰もが使えることを想定し、男女の身長差や、漕ぎやすい運転姿勢を探るため多くの検証実験を実施。シートを基準にペダルとの距離、最適な高さを算出し、調整できる車体を試作したことなどを発表した。
海外研究者から最適なポジションを探す実証実験への称賛のほか、日本ならではの電動アシスト自転車に対する質問や、健康や移動の達成感にもつながる「漕ぐ」仕組みなどにも共感と感心が寄せられ、今後の発展に期待する声も上がった。
辻堂を走る姿見たい
電動アシスト四輪自転車は2021年、山梨県北杜市から観光の足として依頼を受けて開発。免許を持たない外国人でも乗れ、環境に優しく、転倒の危険も少ない。自分の力で移動する楽しさなどを兼ね備えたモデルとして、2022年3月に初代を完成させた。翌年にはオーバーツーリズム対策も兼ねた2代目となる小型の湘南モデルも開発した。
求めているのは湘南地域で誰もが楽しめる乗り物として活用してもらうこと。野中教授は「レンタサイクルとして、辻堂を楽しんで走っている姿が見たい」と思いを語った。
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